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第14ステージ~もはや美術品 [ヲタ]

オタクな方もオタクでない方も、フィギュアに興味のある方もない方も
ぜひご覧いただきたい作品があります。
いつもこのブログを読んでくれている友人から“濃いヲタネタ”とのリクエストがありましたので、一発目、濃厚なのをいきます。
免疫のない方は覚悟してください(笑)

私の場合前職がかなりなオタクな会社でして、私の部署が取り扱っていたものがおもちゃ全般。
もともとオタクな趣味は持っていたのですが、アニメやマンガは好きでもフィギュアには全くと言っていいほど興味がなかった私。
このフィギュアに出会うまでは・・・。

㈱ニューラインから発売された「デビルマンレディー」
原型製作:五右衛門(以下、五右衛門先生)

 

まずは全体のシルエット。
非常に女性的な体・ポーズのライン。
単に“胸が大きい”といった記号ではなく、あくまで全体のラインで女性的な美しいシルエットを表現しています。
そして、静止という枠組みの中での最大限の“動き”。
これ以上どこを動かしてもこの微妙なバランスは成り立ちません。
どこかを変えてしまうと、それは動きのあるフィギュアになってしまいます。
昨今、動きのあるポーズが見た目の派手さから好まれていますが、このフィギュアは全く違います。
日本庭園の代名詞「竜安寺石庭」は庭から一切の水を排することによって、逆にそこに水のある風景を構築しました。
白砂利が海であり、岩が島なのです。
動きを最小限にすることで、腕の角度、体の捻り具合などその1つ1つの微妙な動きを浮かび上がらせているのです。

 

アップにするとわかると思いますが、下半身から腰を経ての上半身の捻り具合。
胸を覆い隠すように曲げられている右腕の手首の角度と肩に微妙に触れていない右手のひら。
仮にここで右手でギュッとガッチリ肩を掴んでしまったら、それはまったく動きのないラインになってしまいます。
また、上半身の反り具合と首から上の微妙なバランス。
これ以上上を向いても下を向いてもこの表情とはつり合いません。
上ならちょっと書きにくいですが“恍惚”な雰囲気になってしまいますし、
下なら単に暗いだけの表現になってしまいます。
まさに“憂い”を表現するにはこの角度しかないのです。

 

そしてさらにアップして表情です。
実はこの目、ワタクシ自らで修正してあります(マッキーと修正液で、笑)
このフィギュア、完成品として販売されたものなのですが、残念ながら原型(パッケージ見本)と商品では目の処理の仕方で雲泥の差がありましたので。
さらに、頭の左側だけについてる小さな翼(?)のようなものですが、本当は両方にあります。
個人的な好みで片方を外してあります。
この方がより憂いの表情が出るかな、と。

表情から読み取れるように、このフィギュアは“もの悲しさ”や“憂い”といった感情を表現しています。
そのため、必然としてこのポーズであり、この体のラインであり、繊細なまでの動きなのです。
衣服を纏わないデビルマンレディーというキャラクター、だからこそ、この繊細な動きによる表現が可能だったのです。

私はこの作品を造られた五右衛門先生と直接お会いしたことがありますが(仕事で)
商品化前は背中に大きな翼が生えていたことをうかがいました。
バランスの問題なのか、商品化に当たっての問題なのか(経費なのか、梱包の問題なのか)わかりませんが、それはそれで見てみたかった思いでいっぱいです。
ですが、結果として動きが最小限に留まったことにより得られたこの至高とも言える完成度、原型師の五右衛門先生の造型センス、キャラクターの本質を見抜く洞察力と繊細な表現力があってこその作品です。

“ウマイ”作品を造る原型師は他にもたくさんいます。
ですが、私にとって五右衛門先生ほどの表現者は他にいません。
繊細で緻密な動きの中のに詰め込まれた表現力。
ぜひ先生の他の作品もご覧ください。

http://www.joy.hi-ho.ne.jp/clumsy-c/

これは本当の話で、私がフィギュアに興味を持ったのもこの作品、初めて買ったのもこの作品。
発売前、メーカーからこの作品のチラシが送られてきた時の衝撃は今でも忘れません。
この作品に出会えたことでやっと仕事に本気になれました。
この作品に出会わなければ今の自分はありません(断言できます)
人生を変えてしまうほどの作品に出会えたこの幸運を、尊敬して止まない五右衛門先生に深く感謝申し上げます。
また冬フェスでご挨拶に伺いますm(_ _)m

年に二度行われる「ワンダーフェスティバル」という模型のイベントがあります。
フィギュアに興味のない一般の方でも、絶対に楽しめるイベントですのでぜひ足をお運びください。
(オタクなフィギュアだけでなく、雑貨やアクセサリーの販売もやってます)

一言にフィギュアと言っても、オタクちっくなものもあれば、この作品のように“美術品”“芸術品”的なものもあります。
万が一、一般の方がこれを読んでくれているならば、ムリに好きになってくれなくてもいいので毛嫌いだけはしないでいただけると幸いです。
ただモエ~なだけじゃないんですよ~。

あああ、ちなみに上の文章は全て私個人の意見と解釈ですので(笑)
五右衛門先生、事実と異なりましたらすみません・・・。


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コメント 9

しょう&まみっちょ

おおお!!(笑)
でたー!!きたー!!
俺は芸術という観点で見ることができるようになったようです。
ふふふ・・・
BY しょう

なんてスタイルがいいんでしょう・・・
まったく何頭身なんだか。
ま、うちにはかなわないですけど・・・(笑)
by しょう&まみっちょ (2006-12-14 00:28) 

しのっち

しょう、ムリしなくていいんだぞ(笑)
まみちゃん、次に会ったら凍え死ぬほどの冷たい視線を浴びせてください(爆死)
なんたってまみちゃんは世界一ですよ!!
by しのっち (2006-12-14 00:38) 

ヨ

オタクレベルじゃないけど、フィギュアとか すきでーす◎
Yujin (ガチャガチャ カプセルトイ) に勤めてる友達いたよーぅ (バンタン専門学校でマックでデザイン勉強したオシャレキッズ笑)
by ヨ (2006-12-14 01:33) 

しのっち

>ヨ
ユージンなつかしい。
私が前の会社で働いていた頃、SRDXシリーズ(大きさが20cmくらいのフィギュア)の全盛期でした。
2000円前後と手の出しやすい価格帯だったためかけっこう売れました。
一番最初に買ったフィギュアがSRDXシリーズっていう人、けっこういるんじゃないかなー。
今でも売ってるのかなぁ。
ガチャは最近はキャラものだけでなくていろいろ出てるもんね。
そのお友達が企画した(デザインした)が街に並んでるかもねー。
すげーな。
by しのっち (2006-12-14 12:37) 

オブ犬

「濃ゆいのを」と頼んではみたものの、ホントに濃くて胃がもたれる感じです。
好きなフィギュアを手に入れるだけではなくて、自分好みにアレンジしてしまう、というのが凄いですね。そうすればよくなると思っても怖くてできません・・・。
by オブ犬 (2006-12-15 01:13) 

ヨ

友人はユージンで (ダジャレ風味)、 あしたのジョー やってましたよー◎以前。
 ↑もう転職したんです
わたしは、フィギュアといえば、スターウォーズとかですかね。 しかしコレクターみたいに大変なことにはなってませんでした。気に入ったのだけ購入してた☆
PEZ とかもねー
ファーストフード店のオマケとか
食玩とか♪
by ヨ (2006-12-15 01:59) 

しのっち

>オブ犬
そうですか、消化不良でしたか・・・。
私は完全燃焼だったんですけどね(^^;)
あのフィギュアに関しては、目が本当にありえなかったんですよ。
大量生産なんで仕方ないとは思ってましたが。
それに好きなもの・すばらしいものだからこそ、目の出来だけで全体としての完成度が下がってしまうのがなんとも忍びなく思うのですよ。
五右衛門先生の原型は完璧なのにそこから生まれた商品がショボいのは許せん!
せめて「我が子には良い洋服を着せたい」的なものでしょうか(笑)
今はチャイニーズの腕があがっているので、だいたい良い出来栄えになってます。ご安心を。

>ヨ
同じフィギュアでも「アメトイ」好きはオシャレに見えるのは不公平っすよ!(笑)
でも最近は「ガンダム」程度なら世間にだいぶ許されてきましたね。
いい世の中になりました。
スターウォーズは全く詳しくないのですが、個人的にあの兵隊さんが好きです。
あのフィギュアは欲しいかも。
by しのっち (2006-12-15 13:17) 

ヨ

ストームトルーパー ですかね。
http://trade-7.up.seesaa.net/image/sw501atst.jpg
ボバ・フェット (賞金稼ぎ) とか持ってるとオシャレですよー笑
http://avac.co.jp/shinjuku/osusumehin/boba.jpg
by ヨ (2006-12-16 05:22) 

しのっち

ストームトルーパーって言うんですね。
この無骨な感じがたまらんです。
ボバ・フェットはちょっとカッコ良過ぎです。
これはオシャレさん方へ譲ります(笑)
by しのっち (2006-12-17 13:22) 

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